難治性(なんちせい)ぜんそくとは、症状のコントロールに
- 高用量吸入ステロイド(ICS)
- 気管支拡張薬(β刺激薬・抗コリン薬・テオフィリン製剤)
- 経口ステロイド(OCS)
- 各生物学的製剤
などのぜんそくの治療薬をいくつも必要とするぜんそく、またはこれらのクスリでもコントロールができないぜんそく、とされています。そのような患者さんが受診された場合には、ぜんそくの診断が正しいかどうか、他の病気を一緒に抱えていないかどうかなどを考えながら診療にあたっています。
治療が難しいぜんそく患者さんでは、
- 鼻/副鼻腔疾患・肥満・アスピリンぜんそく・COPDなどの併存症の診断と治療
- アレルゲン・NSAIDs・β遮断薬・タバコの煙など、ぜんそくを悪化させる要因からの回避
- 服薬がしっかりできているか、吸入がちゃんとできているか
をしっかり確認します。
難治性ぜんそくに対しては生物学的製剤といった注射のクスリが使えることがあります。その治療選択に関しては患者さんの状態、採血や肺機能の結果、鼻疾患や皮膚疾患などを総合的に診て決めています。ガイドラインからは主に「採血での好酸球の数150/μL」、「呼気NO 25ppb」「通年性抗原検査のありなし」を目安に決めていることが多いです。
好酸球の高いぜんそくであれば、全ての生物学的製剤が適応となりますが、ヌーカラ®やファセンラ®といった好酸球を主に抑えるIL-5を中心とした治療を選択します。また好酸球の数が低ければ、呼気NOの値とIgEの値をみます。好酸球の関係する副鼻腔炎や鼻ポリープなどの鼻の病気、アトピー性皮膚炎があれば、デュピクセント®といったIL-4抗体やゾレア®といったIgE抗体を中心に治療を選択することが提案されています。好酸球の値も呼気NO値もIgE値も全て高いような場合には、一番新しい抗TSLP抗体テゼスパイア®を選択していることが多いです。
こうかん呼吸器は数多くの難治性ぜんそく・重症ぜんそく患者さんを診ている神奈川県内でも有数の医療機関です。生物学的製剤(バイオ製剤)といったぜんそくの根本を抑えるような治療も数多く処方しており、呼吸器内科医だけでなく、薬剤師や看護師も処方に慣れています。長引くせきや息切れ、ぜんめいの症状で困っている方、治療薬について見直したい、といったご希望のある方はこうかん呼吸器で相談頂ければ幸いです。生物学的製剤の治療選択を含めて、ぜんそくの適切な診断と治療について丁寧に提案させて頂きます。
日本鋼管病院 呼吸器内科 診療部長
田中 希宇人(たなか きゅうと)