2番目に紹介する難治性(なんちせい)ぜんそくに対して使用する生物学的製剤(バイオ製剤)は、好酸球に効果の高いメポリズマブ(ヌーカラ®)です。
※難治性ぜんそくについて詳しく知りたい方は「難治性ぜんそく」ってナニ?のブログ記事をご覧ください
ヌーカラ®はIL-5という好酸球の増加に関係するサイトカインに特異的に結合して、血液中、喀痰・気道粘膜での好酸球を減らす効果が期待できます。
6-12歳では40mg/回、4週毎に皮下注射。12歳以上では100mg/回、4週毎に皮下注射します。

高用量の吸入ステロイドや他のぜんそく治療薬を用いても年に2回以上の増悪(発作)歴のある好酸球性重症喘ぜんそく患者さんを対象にした臨床試験では、ヌーカラ®を使用した患者さんが32週間でのぜんそく発作の頻度を有意に抑えるという効果が示されました(N Engl J Med 2014;371:1198)。採血での好酸球の数が高いほど、その効果が高いことが分かっています。ヌーカラ®を投与すると採血での好酸球は速やかに減少します。ただしヌーカラ®を使用しても呼気NO値は下がりにくいことも知られています(N Engl J Med 2009;360:973)。
通常の治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)という難病に対しても保険適応があり、ぜんそくに使う用量の3倍である1回300mgを4週ごとに皮下注射して治療します。
実際の診察室では好酸球が強く関わるぜんそくにヌーカラ®を活かしています。EGPAに対しても活用できるように心がけています。
こうかん呼吸器は多くの難治性ぜんそく・重症ぜんそく患者さんが通院する医療機関です。好酸球が暴れているような好酸球性ぜんそくの患者さんも多くいらっしゃいます。今回紹介したヌーカラ®を含めて生物学的製剤を検討されているぜんそく患者さん、ぜんそくのクスリについて見直したい、といったご希望のある方はこうかん呼吸器で相談頂ければ幸いです。生物学的製剤の治療選択、吸入など、ぜんそくの適切な診断と治療について丁寧に提案させて頂きます。
日本鋼管病院 呼吸器内科 診療部長
田中 希宇人(たなか きゅうと)