5番目に紹介する難治性(なんちせい)ぜんそくに対して使用する生物学的製剤(バイオ製剤)は、テゼペルマブ(テゼスパイア®)です。
※難治性ぜんそくについて詳しく知りたい方は「難治性ぜんそく」ってナニ?のブログ記事をご覧ください
テゼスパイア®は気道の細胞下に存在するTSLPと呼ばれるサイトカインを抑える作用があります。ぜんそくの炎症に関わる大元に近い部分に効果があります。

12歳以上の成人では210mg/回、4週間ごとに皮下注射します。吸入ステロイドや他のぜんそく治療薬でも発作歴のあるぜんそく患者さんに対して、採血での好酸球の数や呼気NOの値に関わらず発作の発生を改善する効果が示されました(N Engl J Med 2021;384:1800)。実際は好酸球や呼気NOの値が高いほど効果が期待できます。特に好酸球の数、呼気NOの値、IgEの値の3項目が高い、「トリプルハイ」と呼ばれる患者さんでは、テゼスパイア®が劇的に効果を認めることがあります
実臨床ではトリプルハイのぜんそく患者さんにはまずテゼスパイア®を勧めております。花粉やホコリなどで症状が悪化するようなぜんそく患者さんにも多く活用しています。
まだ発売して1年程度のクスリですので、今後の実臨床でのエビデンスをしっかり注目していきたいと思っています。
こうかん呼吸器は多くの難治性ぜんそく・重症ぜんそく患者さんが通院する医療機関です。今回紹介したテゼスパイア®も、当院では発売から1年で約30例の患者さんに処方しました。生物学的製剤を使用しても症状のコントロールがイマイチなぜんそく患者さん、ぜんそくのクスリについて見直したい、テゼスパイア®も一度試してみたい、といったご希望のある方はこうかん呼吸器で相談頂ければ幸いです。生物学的製剤の治療選択、吸入など、ぜんそくの適切な診断と治療について丁寧に提案させて頂きます。
日本鋼管病院 呼吸器内科 診療部長
田中 希宇人(たなか きゅうと)