医療安全に関する取り組み
医療安全管理室
当室は医療安全を専門に管轄する部門として、2012年1月に開設されました。
これまでも、業務兼任により医療安全管理委員会・リスクマネジメント委員会・各部署で医療安全に関する取り組みが行なわれていましたが、当室を開設することで、より専門的に各事例に取り組んでいます。
当院の医療安全について、タイムリーかつ迅速に対応することを目指して活動しています。
医療安全管理室の役割
院内のインシデントレポートの集計
病院で働く職員は「何か間違いが起こった」または「間違いになりそうだった」「患者さんの転倒があった」、「クレームが寄せられた」などといった場合、レポートを提出することになっています。
その数は月にすると100件前後にのぼり、レポートを集計しどのような事故が多いのか分析したり、影響度の高い問題に関しても原因分析を行います。
さらに、各部署や医療安全に関する委員会と共同して対策を検討し実施していきます。
各委員会との共同で行う安全対策
1. 院内安全ラウンド、安全教育
人間は忘れやすく楽なほうへと流されやすいものです。医療安全も同様で、事故対策も時間が経つと危機意識が薄れて守られていないこともあります。そこで、医療安全の視点で巡視をし、危険の芽の発見や防止策遵守を図っています。
2. 職員に対しての研修
医療安全は誰しも必要と感じ、願うことですが、実践するには安全に関する専門的な知識が必要です。人はなぜ間違うのか?というヒューマンエラーについての知識や、事故の分析方法など正しい知識がないと安全を守る力にはなりません。そこで様々な研修を行っています。輸液ポンプ、人工呼吸器はライセンス制を導入しています。
医療安全に関する組織体制と役割
組織図
当院では、以下のような組織体制を基に院内で起こった事故の対応や防止のための取り組みを行っています。
医療安全に関する委員会とその役割
医療安全管理委員会
病院副院長、事務長、各職場の所属長が出席し医療安全に関する最終決定を行います。
また、有事の場合に臨時の委員会を開催し迅速な対応を行っていきます。
リスクマネジメント委員会 委員会規定
各職場の代表者によって事故対策の方法を具体的に検討しています。
また、院内のラウンドを行い事故防止策が遵守されているかチェックしています。
医薬品・医療機器安全管理責任者
医療機器、医薬品については取り扱いを誤ると重大な事故に結びつく可能性があります。
そこで医療機器については臨床工学技士が、医薬品に関しては薬剤師が、その専門性知識を生かして院内全体の医療安全に関して責任を持って管理にあたります。
医療放射線安全管理責任者 安全利用のための指針
診療用放射線を安全かつ安心して使用するため、診療用放射線について正しく理解し、適切に管理する責任者を配置しています。そして委員会を中心に、医療被爆の管理、記録、相談の業務も行っています。相談は患者相談窓口や各診療科で対応致しますのでお気軽にお問い合せください。
医療安全管理指針
医療安全は医療の質に関わる重要な課題の一つであり、安全な医療の提供は医療の基本となるものである。病院および職員個人が医療安全の必要性・重要性を病院及び自分自身の課題として認識し、医療安全管理体制の確立を図り安全な医療の遂行を徹底する事が重要である。
また、医療安全は、医療提供者と患者さんとの相互理解と協力のもとにはじめて担保されるものであり、患者さんと医療従事者の安全を確保することを目的とし、チーム医療を中心とした組織的な安全を保証するシステムの構築を目標とする。
人間はエラーを犯すものという事を前程に個人とチーム全体でチェック機能を強化し、コミュニケーションを良好に保ち、インシデント・アクシデントによる誤った連鎖を防ぐ努力が必要となる。
不幸にして本来おきてはならない医療事故が発生した場合は、個人の責任を追及するものではなく、再発防止をするためにその事故の正確な情報を収集し、適正に原因を分析し対策を講じなければならない。更に、医療の安全性に関する教育・研修を全職員に積極的に行う事も大切な取り組みである。
医療安全管理規定
設 置
第一条
医療安全管理指針に基づき、日本鋼管病院内に医療安全管理部門を設置する
組 織
第二条
医療安全管理部門は院長の直轄組織であり、医師・医療安全管理者・医薬品安全管理者・
医療機器安全管理者を含み、安全管理対策を推進する部門として組織する。
目 的
第三条
医療安全管理部門は当院における医療安全対策と患者の安全確保対策を推進し、
医療の質の確保を目指すことを目的とする
構 成
第四条
- 医療安全管理部門長:副院長
- 医療安全管理医師:医師(専任)
- 医療安全管理者:医療安全管理担当者(専従)
- 医療安全管理事務局:副事務局長
- 医薬品安全管理責任者:薬剤部部長
- 医療機器安全管理責任者:臨床工学科科長
役 割
第五条
医療安全管理部門の役割は以下のとおりとする
- 各部門における医療安全対策の実施状況の評価に基づき、医療安全確保のための業務改善計画書を作成し、それに基づく医療安全対策の実施状況および評価結果を記録している。
- 医療安全管理対策委員会との連携状況、院内研修の実績、患者等の相談件数及び相談内容、相談後の取り扱い、その他の医療安全管理者の活動実績を記録している。
- 医療安全対策に係る取り組みの評価等を行うカンファレンスが週1回程度開催されており、医療安全管理委員会の構成員及び必要に応じて各部門の医療安全管理の担当者が参加している
医療安全だより
下記より安全だよりがご覧になれます。
医療安全管理委員会規定
設置
第1条
医療安全管理指針の規定に基づきこうかん会における医療事故予防対策の検討及び推進、医療安全の推進等を図るとともに、医療に係る安全管理の基本方針を決定するため、医療安全管理委員会(以下「委員会」という)を置く。
構成
委員会は、次に掲げる職(もしくは順ずる職)にある者により構成する。
- 副院長
- 医療安全管理者
- 看護部(副看護部長)
- 事務局長
- 診療科から選出された医師(内科系・外科系)
- 薬剤部長
- 栄養科長
- 臨床検査技術科長
- 放射線技術科長
- リハビリテーション技術科長
- 医事科長
- 臨床工学科長
- 病院長の指名する者
- その他委員会が必要と認めた者、若干名
所掌
委員会は、次の事項を調査審議する。
- 医療事故の予防対策の検討及び推進の総括に関すること。
- 医療事故及び医事紛争への対応に関すること。
- 医療事故等の情報交換に関すること。
- その他医療安全対策の推進に関すること。
- 医療訴訟に関すること。
任期
委員の任期は1年とし、再任を防げない。
委員長
1.
- 委員会には委員長を置き、院長の指名する副院長がこれにあたる。
- 委員長には、会務を総理し、委員会を代表する。
- 委員長に事故がある時は、あらかじめ委員長の指名する委員がその職務を代理する。
開催
1.
- 委員会は、原則として月1回定例で開催するほか、必要に応じて随時開催する。
- 委員会は、委員長が召集する。
報告
第7条
委員会の検討結果については運営会議に報告するとともに各部門に周知させる。
意見聴取等
第8条
委員会は必要があると認めるときは委員以外の者を会議に出席させ、意見を聴取し、または、委員会以外のものから資料の提出を求めることができる。
専門委員会
第9条
- 委員長は、必要と認めるときは、専門委員会を設置することができる。
- 専門委員会は、委員長の諮問に応じ、第3条に規定する事項に関して専門的に調査、審議する。
- 専門委員会は、委員長の指名する者で構成する。
事務局
第10条
委員会の事務は、総務人事部において処理する。
第11条
委員会の記録、その他の庶務は事務局が行う。
規程の閲覧等
第12条
第三者より「医療安全管理規程」及び「医療安全に関わる書類」等の閲覧を求められた場合は、委員長にその旨(氏名・閲覧内容・閲覧希望日時等)を報告し、委員長の承諾を得た後、閲覧に応じる。