CT検査
検査概要
CT検査はX線を使い身体の断面を撮影する検査です。横断面(輪切り)が主ですが、画像を再構成することにより任意の断面像や3D画像を作成することも可能です。当院では、Canon社製80列CT装置と、GE社製64列CT装置(Dual Energy撮影可能)が稼働しています。通常検査に加え、心臓CT検査や、大腸CT検査などの特殊検査も行っています。
GE社製 64列CT装置
Canon社製 80列CT装置
単純CT検査
単純CT検査とは、造影剤を使用せずに行うCT検査のことです。
頭部や胸腹部、全身の状態を調べることができます。特に脳内出血や組織の浮腫、骨の異常、肺などを観察するのに適しています。
検査時間は5分~10分程度で、負担の少ない検査です。
腹部単純CT
腰椎3D 造影CT検査
造影CT検査とは、造影剤を静脈から注入した後に撮影する検査です。
静脈から注入された造影剤は血管を介して全身の臓器へと分布します。その状態で撮影を行うことで、病気や各臓器の血流状態や血管の情報を得ることができます。
造影剤を使用することで、より臓器の状態をわかりやすくし正確な診断が可能です。
検査時間は10分~20分程度です。
造影剤は安全な薬ですが、まれに副作用を生じることがあります。
軽度なものは吐き気・かゆみ・発疹・動悸、重度なものは呼吸困難・血圧低下・意識障害などがあります。
副作用が生じた場合は、医師や看護師などが直ちに適切な処置を行いますので安心して検査を受けることができます。
造影剤なし
造影剤使用
術前シミュレーション 心臓CT検査
心臓CT検査は造影剤を使用し、心臓を栄養する血管(冠動脈)を中心に撮影します。冠動脈の狭窄や心臓の状態、動脈瘤など三次元でより詳細に観察できます。
狭心症や心筋梗塞など循環器系疾患を早期発見につなげやすい上、心臓カテーテル検査と比べて短時間で負担が少なく、外来で受けることができます。

心臓CT
再構成
心臓3D 検査の特徴
カルシウムスコアを計れる
冠動脈の石灰化をCT撮影によって定量的に評価することで、冠動脈の動脈硬化と程度を知ることができます。
冠動脈、心臓の構造など知ることができる
当院の心臓CT検査は、主にスクリーニング、冠動脈やアブレーションの術前評価で行われます。また、ステントグラフト内挿術、冠動脈バイパスグラフトの術後評価、経過観察に行われます。
冠動脈造影検査(アンギオ検査)に比べ非侵襲的に、冠動脈の評価、心臓の構造把握が可能です。
低侵襲の検査方法で外来検査が可能
心臓カテーテル検査は、血管にカテーテルと薬剤を挿入するため、安静と入院が必要です。
心臓CT検査では、薬剤による前処置が必要ですが外来で検査が可能です。
前処置が必要
心拍が早すぎる場合は、一時的に心拍数を下げる薬(β遮断薬)を内服し、心拍が安定してから検査を開始します。
また、検査開始時には、血管を拡張させる薬(ニトログリセリン)を舌下に噴射させていただきます。
大腸CT検査
大腸CT検査(CTコロノグラフィ)とは、肛門から炭酸ガスを大腸に注入し、拡張した状態をCT撮影することにより大腸の三次元的にデータを取得する検査です。
大腸内視鏡検査と比較し身体的な負担が少なく、短時間で検査が可能です。

大腸3D
仮想内視鏡 検査の特徴
内視鏡では観察しにくい場所の観察に優れる
5ミリ以下のポリープや平らな病変を見つける能力は内視鏡検査に劣ります。
内視鏡検査では観察しにくい、大腸のひだや曲がり角の裏などの観察には優れており、腸が癒着している方や、腸が長い方でも苦痛が少なく検査が可能です。
痛みを感じること、体を動かすことが少ない
内視鏡検査に比べ、低侵襲で体を動かすことが少なく、10分程と短い時間で終了します。検査時はお尻から細いチューブを数センチ入れ炭酸ガスを注入します。チューブはシリコン製の柔らかい素材であり、挿入時はゼリーを付けて痛みを和らげるよう工夫しています。また、炭酸ガスは非常に吸収が良いので検査終了後は速やかにお腹の張りが収まります。
前処置が必要
前処置として腸管洗浄剤を服用していただきます。服用量は内視鏡検査に比べ少量です。
また、検査時には腸の動きを抑える注射を打たせていただきます。
※細胞を調べる検査やポリープ切除などの治療はできません。治療のためには内視鏡検査をお受けいただく必要があります。
注意事項
下記に該当する方は、事前に担当医師にお申し出下さい。
- 心臓ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)を挿入している方
- 脳深部刺激療法(DBS)を挿入している方
- 自己血糖測定器(リブレ)を装着している方
- 妊娠または妊娠の可能性がある方
造影CT検査を受けられる方は、下記に該当する場合事前にお申し出下さい。
- 以前に造影剤を使用した検査で副作用が出た方
- 喘息の方
- アレルギー体質の方
- 糖尿病治療の飲み薬を服用している方
- 授乳中の方
検査前後の注意点
- 午前検査の方は朝禁食、午後検査の方は昼禁食(朝食は可)にして下さい。
- 水、茶、常備薬は飲んで下さい。ただし、禁食のため糖尿病薬は飲まないで下さい。
- 造影検査後、十分に水分をお摂り下さい。ただし、検査日の飲酒はお控え下さい。
- 検査予定時刻は、検査の都合上多少前後する場合がありますのでご了承下さい。