4番目に紹介する難治性(なんちせい)ぜんそくに対して使用する生物学的製剤(バイオ製剤)は、デュピルマブ(デュピクセント®)です。
※難治性ぜんそくについて詳しく知りたい方は「難治性ぜんそく」ってナニ?のブログ記事をご覧ください
デュピクセント®はIL-4受容体α鎖に結合し、IL-4、IL-13といったサイトカインを抑えるクスリです。IgEをつくる細胞も抑え、気道の炎症を鎮静化させることで効果を発揮します。12歳以上で、初回600mg/回(300mgの注射を2本)を皮下注射し、2回目以降は300mg/回を2週毎に皮下注射していきます。

吸入ステロイドや他のぜんそく治療薬でも年に1回以上の増悪(発作)をみとめるぜんそく患者さんを対象に、52週間(約1年間)でのぜんそく発作の頻度を抑える効果が示されました(N Engl J Med 2018;378:2486)。特に採血での好酸球の数が高いほど、呼気NOの値が高いほど、肺機能検査で調べられた1秒量が改善されることが知られています。
適切な外用薬でも効果が不十分なアトピー性皮膚炎、内服のステロイドや手術でもコントロールが難しい鼻ポリープのある慢性鼻副鼻腔炎の患者さんにも有効性が示されており、保険適応があります。
一般的には好酸球の高いぜんそくによく使用するクスリですが、好酸球が関係している鼻副鼻腔炎や鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎など、鼻やのどの炎症に対しても適応がありますので耳鼻科の先生方とも連携しながら診療します。幅広くぜんそくに関連する炎症を抑えますので、他の生物学的製剤(バイオ製剤)でも効果が不十分であれば一度デュピクセント®に変更して効果を試してみることもあります。
こうかん呼吸器は多くの難治性ぜんそく・重症ぜんそく患者さんが通院する医療機関です。今回紹介したデュピクセント®を使用している患者さんも多くいらっしゃいます。生物学的製剤を使用してもコントロールがイマイチなぜんそく患者さん、ぜんそくのクスリについて見直したい、といったご希望のある方はこうかん呼吸器で相談頂ければ幸いです。生物学的製剤の治療選択、吸入など、ぜんそくの適切な診断と治療について丁寧に提案させて頂きます。
日本鋼管病院 呼吸器内科 診療部長
田中 希宇人(たなか きゅうと)