腎臓内科

透析センター

透析センターについて

当センターは年々増加する透析患者さんに対応するべく、2006年7月に開設しました。

近隣にお住まいの方々を中心として、新規透析導入が必要な方、ご自宅の近くで通院透析を希望される方、手術・検査や病状悪化に伴い、専任医師5名、臨床工学技士・看護師約20名の体制で入院が必要な透析患者さんの受け入れを行っています。

最新鋭の透析コンソールを26台設置し、4クール体制(月・水・金曜日と火・木・土曜日それぞれ2クール)で対応しています。
最大104名の対応が可能で、2017年度は年間11,768名の患者さんが利用されました。
夜間透析は現在行っておらず、ご希望の方は他施設をご紹介させていただきます。

また、急性腎不全や慢性腎不全だけでなく、高血圧症や高尿酸血症、電解質異常など腎臓と関係のある病気の診断治療を、透析療法としては血液透析、腹膜透析に加えて持続的血液濾過透析、血漿交換、吸着療法などの急性血液浄化療法を行っています。

疾患予防として教育指導にも力を入れており、腎臓病診療の専門としてあらゆる病態に対応しています。

「介護者の休暇も兼ねた短期の検査入院」や「通院が困難になった患者さんの入院透析」、「在宅透析」「訪問看護」にも取り組んでおり、信頼される透析医療の提供を継続できるようスタッフ一同努力しています。

当センターは総合病院にある透析施設というメリットを活かし、疾患の合併がある透析患者さんに対して、院内各科と連携をとり迅速かつ的確な診療を提供します。

なお、当施設は日本透析医学会の教育関連施設に選定されています。

【透析に関するお問合せ】

こうかんクリニックで行っている「腎臓・高血圧・透析内科」を受診いただくか、
日本鋼管病院代表  044-333-5591 までお問い合わせください。

主な医療機器・設備

  • 透析用患者監視装置26台
    (うち1台はオンライン透析濾過にも対応、2台は個人用でそのうち1台はHDF専用機)
  • 多人数用透析液供給装置1台
  • 逆浸透水処理装置1台
  • 各種アフェレーシスも随時対応:血漿交換、リンパ球吸着療法、LDL吸着、腹水濾過濃縮再静注療法等
  • 専用のCAPD診察室(バッグ交換可能)

対応疾患

慢性腎不全

慢性腎不全の患者さんに対しては、透析導入前より、当センターの専属スタッフによる血液透析ならびに腹膜透析(CAPD)についての患者指導を適宜行い、 適切かつスムーズに透析療法を導入できるような環境作り(血液透析用の内シャント造設術や腹膜透析用のカテーテル挿入・埋没術(SMAP)等)をしています。また、透析導入後も継続して当院での通院治療が可能です。

急性腎不全

慢性透析以外にも、急性腎不全を合併する多臓器不全例に対する集中治療の一つとして、持続的血液透析濾過療法(CHD/CHDF)を行い救命率の向上に努めていきます。

透析治療について

腹膜透析療法

血液透析に加え、腹膜透析療法にも積極的に取り組んでいます。腹膜透析バッグの交換が可能な腹膜透析(CAPD)診察室を設けており、CAPDのみならず夜間機械で行う自動腹膜還流装置(APD)にも対応可能です。
退院後はこちらで通院治療していただきますが、将来的には通院が困難になってしまった方には、当院の訪問看護ステーションでも対応可能です。

特殊血液浄化療法

エンドトキシン吸着療法は、主にグラム陰性菌による敗血症ショックを呈している高エンドトキシン血症例に対し大きな救命効果を発揮しています。また、高コレステロール血症や巣状糸球体硬化症を含む難治性ネフローゼ症候群に対してLDL吸着療法を、膠原病・ギランバレー症候群などの神経疾患や類天疱蒼 などの皮膚疾患に対しては、種々の自己抗体除去を目的に二重濾過血漿交換療法(DFPP)なども対応可能です。
また、当院内科の得意分野の一つである消化器・ 肝臓領域では、専門医との連携のもとで劇症肝炎例に対する全血漿交換療法、肝性脳症に対する持続的もしくは間歇的な血液透析濾過療法、さらには潰瘍性大腸炎に対する白血球あるいは顆粒球吸着療法、難治性腹水に対する腹水濃縮再静注療法等も積極的に行っていきたいと考えています。
その他、急性の薬物中毒に 対しては、活性炭カラムによる血液吸着(DHP)や血漿交換療法も対応していきます。

育児短時間勤務制度 ~東京慈恵会医科大学との連携~

近年、女性医師が全体に占める割合は20%を超え、医学部入学者に占める女性の割合は約1/3と言われており、今後も若い女医さんは増加すると考えられます。
それに伴い、育児と医師の仕事の両立という課題を抱える女医も年々増えています。
そんなママさんドクターが安心して働けるよう、当院では『育児短時間勤務制度』を導入しております。
さらに、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科と連携のうえ、2019年1月現在、3人の女医がこの制度を活用して透析センターに勤務しています。

~宇田川透析センター長から~

育児時短制度のおかげでスタッフの数が増え、より迅速かつ適切な医療を提供できる体制が築けています。
また、この制度を利用するスタッフはみな優秀で、医療の「質」も向上しています。
今後も現体制を維持できるよう努力していきたいと思います。