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2024.11.26

肺がんで見られる症状

肺がんだけに特徴的な症状(特異的な臨床症状)はありません。自分で感じる症状が全くないこともあります。せき・たん・発熱・息切れ・胸の痛みなどの症状があって病院を受診することもあります。時々肺がんから大きく出血して喀血(かっけつ:気管や肺からの出血で口から血が出ること)で緊急で受診される方もいらっしゃいます。肺がんが脳に転移して、しびれたり、動けなくなったり、意識がぼんやりしたりして診断される方もいらっしゃいます。ここでは肺がんで見られることのあるいくつか症状について紹介していきます。

1)血痰/喀血

たんに血が混じるような、血痰や喀血の症状がある場合があります。空気の通り道である気管の表面に肺がんが飛び出している(専門家は「がんが顔を出す」って呼んだりします)ことがあります。血痰や喀血の訴えがある時には、がんの細胞診検査やX線・CT(造影剤を併用することが望ましい)などの画像検査を検討します。

2)上大静脈症候群(SVC症候群)

首のむくみ、せき、飲み込みにくさ(嚥下障害)などの症状を認める場合には、上大静脈症候群の可能性があります。上大静脈症候群はがんによって上大静脈という頭や腕から戻ってくる血液の通り道がふさがってしまう状態で起こります。右上の肺やリンパ節にがんがある場合に出る症状です。ゆっくり血管がふさがる場合には症状があまり出ないこともあります。症状が強い場合には、そのふさがっている部分に放射線治療を行ったり、血管内治療を行ったりすることがあります。抗がん剤治療も速やかに行う必要があります。

3)高カルシウム血症

ぼんやりしたり意味不明なことを話したりするような神経症状がでる場合には、肺がんの脳転移のほか、高カルシウム血症が原因である可能性があります。採血で調べることができます。肺がんによる高カルシウム血症としてはがんから異常なホルモン(PTHrP:副甲状腺ホルモン関連タンパク)がでる場合や、肺がんが骨に転移する場合があります。治療としては点滴で水分を補給して、血液中のカルシウム濃度を下げることや、カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤、抗RANKL抗体であるデノスマブ(ランマーク®)といった薬剤を使用することで高カルシウム血症による症状を改善することができます。
もちろん意識が悪くなる原因となるような、血糖値や電解質異常を採血で調べ、頭部CT・MRIなどの画像検査などの検索は忘れずに行っていきます。

こうかん呼吸器では、肺がん患者さんの様々な症状に迅速に対応できるような仕組みを日々検討して診療にあたっています。患者さんが安心して治療を受けられるよう、常に呼吸器チームでサポートしてまいります。今後もこうかん呼吸器では日々の勉強は欠かさず行い、目の前の肺に病気のある患者さんに全て還元していくことを約束します。肺がん治療でお困りの方、肺がんが疑われて相談したい方はぜひ一度、こうかんクリニック 呼吸器内科を受診して頂ければ幸いです。

日本鋼管病院 呼吸器内科 診療部長
田中 希宇人(たなか きゅうと)

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