尿路悪性腫瘍
当科では、前立腺疾患の診断・治療に積極的に取り組んでおり、前立腺肥大症の治療では、
高齢者に負担の少ない内視鏡手術やホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を行っています。
また、最近では前立腺癌が多くなっており注意が必要であり、
排尿障害で受診された50歳以上の患者さんにはPSA検査を行い、
異常値の方には積極的に前立腺生検を行っています(1泊2日の入院が必要です)。
他院の人間ドックなどでPSAの異常を指摘された方も、お気軽にご相談ください。
自然排石の見込めない尿管結石に対しては、
積極的に経尿道的結石レーザー破砕術(TUL、f-TUL)を行っています。
これは尿管鏡による内視鏡手術であり、入院期間は3~4日程度となります。
なお、当科では体外衝撃波結石破砕術は行っておりません。
前立腺肥大症とは
前立腺は男性にしかない臓器で、骨盤内存在し前立腺液を作っており、前立腺の中央には、膀胱と接するように尿道が存在します。
前立腺の組織は内腺と外腺に分けられ、内腺が肥大(大きくなること)します。
内腺組織が大きくなることによって尿道は徐々に圧迫され狭くなり、排尿障害(尿の出が悪くなる)が現れてきます。
これを前立腺肥大症といいます。
前立腺肥大症の特徴として、中高年の男性に多く見られ、その症状は人によりさまざまですが、
「排尿障害」
「頻尿(尿が近い)」
「夜間頻尿」
「残尿感 (尿をした後もすっきりしない)」
「尿が我慢できない」
「切迫性尿失禁」 などの症状が起こります。
さらに症状が進むと、「尿閉(全く尿が出なくなる)」、「閉塞性腎不全(腎臓からの尿も出なくなった状態で尿毒症を起こす)」といった深刻な状況になりうることもあるため、早期の治療が望まれます。
前立腺肥大症の治療
ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を行っております。
HoLEP手術は、内視鏡とレーザーを使用して前立腺内腺を剥離する手術です。
出血量が少なく、効率よく前立腺を切除することができるため、前立腺体積が非常に大きい症例や
高齢の方・抗凝固剤を内服している患者さんでも安全に手術が施行でき、良好な排尿機能を取り戻すことが可能となります。
手術のイメージ
「HoLEP」手術の流れ
1. 肥大した内腺を切除する |
---|
内視鏡を尿道から通し、その先のレーザーメスで灌流液を流しながら、内腺と外腺との境目に切り込み、 肥大して尿の通り道を圧迫している内腺の組織のみを切除します。 取り除かれた組織は一旦、膀胱内に移動させます。 |
2. 切除した組織を細かくして体外へ排出する |
---|
膀胱内に移動させた組織は、特殊な機器を用いて細かい破片に切り刻み切み、吸引・排出します。 さらにその組織に癌が含まれていないか、病理検査を行います。 |
3. カテーテルを留置する |
---|
内視鏡を取り除いた後、尿道カテーテルという管を挿入して、尿路の確保や保護、止血を行います。 尿道カテーテルは、通常血尿がほぼなくなった翌日もしくは翌々日に抜きとることが多いです。 |
4. 術 後 |
---|
極力体を動かさず、翌日まで安静にしていただきます。 特にお腹に力(腹圧)を入れないようご注意願います。基本的には翌朝から歩行可能です。 また、留置しているカテーテルが血液でつまると手術した部位から出血しやすくなります。 それを防ぐために灌流液を翌朝まで流し、尿と一緒に排出させます。 ※ 上記は一般的な目安です。いずれも患者さんの状況・状態に応じて経過は異なります。 |
5. 退院後 |
---|
前立腺を覆っている尿道粘膜も切除するため、粘膜が再生するまでは尿道からの出血・血尿は ほぼ必ず現れますが、徐々に治まります。 どうしても気になる方は受診時にご相談下さい。 術後1ヶ月間は、「重たいものを持つ」「自転車・バイクなど乗り物の乗車」等、 股に振動や刺激が加わる行為や「アルコールの摂取」「性交」等、 出血する可能性の高い行為は厳禁です。 また、退院後は十分に水分を摂取して下さい。 退院後約1ヶ月後を目安に外来を受診いただき、 術後の経過と尿検査による血尿や感染症の確認をします。 |
|
※ 患者さんの状況・状態に応じて経過は異なります。 |
尿路結石とは
尿路結石の治療