臨床工学科

臨床工学科

臨床工学技士とは

1989年に「生命維持管理装置の操作および保守点検」を業として誕生した医療の国家資格を有する技術者です。
英語でClinicalEngineerやMedeical Engineerと記されることから、CEやMEと呼ばれることもあります。

様々な医療機器は、機器の構造や原理そして正しい使用方法を熟知することで、はじめて治療に最大の効果を発揮することができます。これら機器の操作や保守・点検にあたっているのが臨床工学技士です。

業務内容

当院の臨床工学科は血液浄化業務・循環器業務・手術室業務・内視鏡業務・医療機器中央管理業務を行っており、各部門ローテーションで業務を行っています。働くフィールドは広く、各部署との連携が必要不可欠であるため、スタッフ同士のコミュニケーションを大切にしながら業務に取り組んでいます。それぞれの部門の業務内容を紹介します。

血液浄化業務

透析センターにはコンソールが26台あり、病棟透析用にもコンソールが2台あります。
コンソール及び透析用大型装置の操作及び保守、点検や医材管理、また透析液の水質管理を行っており、コンソールのオーバーホールも臨床工学技士が行っています。
臨床業務においては透析回路のプライミングから患者様への穿刺、透析治療中の患者様のバイタル管理、透析返血業務を行っています。患者様とのコミュニケーションをとりながら、より至適な透析が行えるよう日々研鑽を重ねています。
またCHDFやPMX、CART、PEまたDFPP等にも広く対応しています。

循環器業務

アンギオ室では冠動脈の評価を目的とした検査や治療が行われています。その中でIVUS(OCT)の操作や冠血流予備量比測定の実施、ポリグラフの操作、IABPの操作、デバルキングデバイスの操作等多岐にわたって業務を行っています。
またペースメーカーの植込み業務やペースメーカーチェック、ペースメーカー外来も行っており、その他アブレーション治療の立ち合いも行っています。

手術室業務

手術室は院内で最も医療機器を取り扱う部門であるため、全ての医療機器がより正確に、安全に作動し、患者様へ手術を提供できるように機器管理業務を行っています。医療機器の購入から更新・廃棄までの全てのサイクルにおいて管理しています。
当院は整形外科の手術件数が多く、そこで使用される自己血回収装置やMEP、ナビゲーションシステムの操作も行っています。またタスクシフトにより実施可能となった外科手術のスコープオペレータ―業務も2024年度から行っています。

内視鏡業務

内視鏡業務では内視鏡関連機器(光源装置、スコープ、洗浄装置等)の保守点検から、治療デバイスの管理業務を行っています。直接介助を臨床工学技士が行うことはまだまだ珍しいですが、当院では上部、下部内視鏡やEUS、EUS-FNAの検査業務、及びESDやERCP、EVL等の治療の補助業務まで全て臨床工学技士が行っています。大変ですがやりがいのある仕事なので、日々研鑽を重ねています。

医療機器中央管理業務

MEセンターには輸液ポンプやシリンジポンプ、人工呼吸器等数多くの医療機器が保管されており、それらの機器の日常点検を行っています。さらにメーカーの医療機器講習を受講し輸液ポンプやシリンジポンプの定期点検も行っています。
また院内において医療機器が適切に使用されているか毎日ラウンド業務を行い、医療機器のトラブルがあった際には対応を行っています。

職場紹介

臨床工学室の職場見学は随時行っております。
施設見学のご希望はこちらに必要事項を記載し、お申込みください。

スタッフ構成

科長:1名
副科長:1名
主任:2名
総勢:19名(男性12名 女性7名)
平均年齢:32歳
主な出身校:北里大学、東京工科大学、姫路獨協大学、読売理工医療福祉専門学校、東京電子専門学校…etc

出勤形態

早番:7:45~16:15
日勤:8:30~17:00
遅番:10:00~18:30 (休憩時間1時間 実働7時間30分)
当直:なし
オンコール対応:心臓カテーテル業務、内視鏡業務、その他
        待機手当あり

基本的に業務が遅くなる場合は遅番が残って対応します。

月の残業平均時間は1人あたり約10時間です。またワークライフバランスを大切にし、産休・育休・産後パパ育休などの制度を利用し易い職場作りを目指しています。

教育体制

最初は血液浄化業務を担当してもらい、その後は本人の希望や状況に応じて他の部門にローテーションしていきます。教育は当院で作成したプログラムに基づき、本人の成長ペースに合わせて進めるので、十分に経験を積んで自信を持った状態で業務を行えます。業務内容は多岐にわたるため、すべての部門をこなすのは難しく、最終的には1人が2~3部門を担当することになります。

資格取得

  • 透析技術認定士
  • 認定血液浄化関連臨床工学技士
  • 腎代替療法専門指導士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 心血管インターベンション技師
  • 消化器内視鏡技師
  • MDIC(Medical Device Information Communicator)
  • 第2種ME技術実力検定