私たちの業務は大きく分けると「臨床業務」と「医療機器の保守点検業務」になります。
臨床業務は「血液浄化業務」、「人工呼吸器業務」、「ペースメーカー業務」、「消化器内視鏡補助業務」、「手術中における自己血回収術」を。保守点検業務では「生命維持管理装置(麻酔器・人工呼吸器・透析装置)の使用前点検や透析装置の定期点検」、「輸液ポンプ・シリンジポンプの使用後点検・定期点検」などを行っています。
また、院内の職員に対して「医療機器用消耗品の中央管理化や医療機器の正しい使用方法や管理などに関する勉強会」を開催し、治療に関して様々な部署の職員が知識を共有してもらえるよう努めています。
人工呼吸器は、「脳の呼吸中枢に障害が起きたり、頸髄損傷・重症筋無力症等により呼吸筋が麻痺したために自力では十分な呼吸が行えなくなった場合」・「肺疾患によって血液への酸素供給や炭酸ガス排出が不十分となった場合」・「呼吸に多大な労力を必要とし、患者さんの消耗が著しい場合」といった、自分の力で十分に呼吸が行えなくなった患者さんのために、電力やガスの圧力を利用して、機器の力を借りて自動的に呼吸の補助を行います。
最近ではモニター装置・警報装置・換気パターンの選択など、複雑な機能が内蔵されているものが多く、高度な専門知識が必要ですが、人工呼吸器を必要とする患者さんに即時対応できるよう、保有している人工呼吸器に対し、回路等の準備点検等を行っています。
また、患者さんに装着されている間は、毎日作動状況等を点検し記録に残しています。
心臓は普段、1日に約10万回の収縮と拡張を繰り返しています。これは洞結節という心臓の一部位から発生する電気刺激により作られ、毎分約70回の鼓動のリズムをも作っています。しかし、これらに異常が起こると、刺激が上手く伝わらず必要な脈拍数をつくることができなくなります。
このような場合にペースメーカーが埋め込まれます。ペースメーカーは、電池と刺激発生・感知回路と心電図を伝えるためのリード(導線)でできた小さな人工臓器で、働きが低下した洞結節や房室結節などの代わりに電気刺激を心筋に作ったり伝えたりして、体に必要な脈拍を作り出しています。ペースメーカーを体内に埋め込む時や定期的なチェック・機能確認・設定値の変更をする時にプログラマーという機器を用いるのですが、これらの操作も医師と連携して行っています。
消化器内視鏡検査(胃カメラや大腸鏡といった方がピンとくるでしょうか?)に際して、医師の治療の補佐を行います。
また、使用後の内視鏡の洗浄や点検も担当しています。
生命維持管理装置(麻酔器・人工呼吸器・透析装置)の保守点検や正しい使用方法への啓蒙活動を行ないます。
麻酔器には麻酔に必要な酸素や麻酔ガスを体内に届けるチューブ、麻酔作用で弱まる自発呼吸を手助けする人工呼吸器、モニターなどが付いており、安全に手術が施行されるよう、手術前の早朝から機器の点検を行います。
病院内では注射液を患者さんに正確に投与するために約100台の輸液ポンプ・シリンジポンプが使用されています。これらのポンプを効率良く使用するための管理もしており、必要な部署には何時でも貸し出せるよう、常に点検済みの機器を準備しています。
使用後の機器は、都度清掃・点検して備えます。また、電気製品である医療機器に電気的な不具合が生じないよう、専用の測定装置を使用して電流の漏れを測定し、機器が正常な状態であることを確認しています。