よくある質問

健康長寿の心がけ

米井嘉一先生

抗加齢医学研究の研究において日本の草分け的存在である米井先生、「健康長寿」についてお話を聞かせて下さい。


Q.多様化した生活環境の中で生活習慣病は大きな問題となっていますが、こうした中でも長寿は望めるのでしょうか?
A.人間の寿命を決めている要因を大きく分けると二つにわけることができると思います。その一つは体質や遺伝といった親ゆずりの部分であり、もう一つは 環境や食事、運動の程度によって変わってくるライフスタイルの影響です。どんなに恵まれた体質でも、生活がめちゃくちゃならば、健康長寿は望めません。は た目には体力がないように見えても、定期検診を受けたり、規則正しいライフスタイルを実践すれば、努力は必ず報われるでしょう。
Q.健康長寿を妨げるような悪い生活習慣にはどんなものがありますか?
A.悪しき生活習慣の代表例は「カウチポテト族」です。快適なソファーにすわり、タバコを吸い、ポテトチップスのような高カロリー高脂肪のスナック菓子 をほおばりながらテレビを見るだけの生活です。運動不足・喫煙・高カロリー脂肪食など、悪しき要因がいくつも重なっています。このような生活をしている と、身体に備わった「老化スイッチ」が押されてしまいます。ぜひとも気をつけて下さい。
Q.健康長寿のための理想的なライフスタイルについて教えて下さい。
A.なにかに趣味を持ったり、芸術にもふれてみましょう。 美術館めぐりは、芸術にふれて精神的にプラスの作用があるばかりでなく、視覚を介した大脳皮質への刺激効果と、館内をぐるぐる歩きまわる運動効果もあるので、いくつになっても積極的に取り入れて欲しい習慣です。
Q.合併症にならないためにはどうすればよいですか?
A.合併症はすぐに起こるわけではなく、5~10年以上血糖コントロールが悪い状態が続くと生じます。早めにしっかりと治療し、良いコントロールを持続 すること(具体的にはHbAlcを6.5%未満に維持する)が重要です。「糖尿病と診断されたけれど放置していた」ということだけは避けたいものです。
Q.老化のチェックポイントは?
A.

老化のチェックポイント


その他にも、呼吸法・ヨガ・気功などの教室に参加することは、呼吸法そのものの効果のみならず、瞑想などに よる精神の鍛錬に加えて、柔軟体操のような運動の要素もあり、またコミュニケーションの機会が広がるという効果があります。健康長寿をめざす人たちが集 まって「ああだ、こうだ」と言い合うことは、とてもよいことです。
最近、農業回帰という言葉をよく聞きます。60歳をこえてからも健康で自立した生活を営むために、適度な肉体労働を伴い、生き甲斐や満足感を伴う農業や漁業などの一次産業への従事することもよいと言われております。
取り敢えずはそんな難しいことを考えず、庭いじり・盆栽・家庭菜園・山菜採り・釣りなど、身近なところで実現可能なことを実行してみることです。
Q.最後に、健康長寿を目指すうえで一番大切なことはなんでしょうか?
A.「病は気から、老化も気から」です。健康長寿を達成する上でもっとも重要なことは、「いくつになっても健康で元気に生きるのだ」という気力を持つことです。どうか忘れずに。

米井 嘉一

同志社大学大学院 生命医科学研究科教授
日本鋼管病院 ドック健診センター(非常勤)
慶応義塾大学医学部卒業ののち留学、帰国後日本鋼管病院内科に勤務、その際に総合病院では全国で初めてとなる「老化度判定ドック (アンチエイジングドック)」を同院内に開設。
2005年に同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授就任。2008年には同生命医科学部教授に就任。
日本初の抗加齢医学の研究講座である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授として、研究に尽力するほか抗加齢医学を 日本に紹介。
抗加齢医学のリーダーとして普及に努めており、新聞・雑誌・メディアなど各方面で活躍している。
また、現在も日本鋼管病院ドック健診センターにおいてアンチエイジングドックを担当。


主な著書

『早く老ける人、老けない人(PHP研究所)』『加齢に克つ!サビない体のつくりかた(草思社)』  『愛犬を元気で長生きさせる育て方「ワンちゃんのためのアンチエイジング」(PHP研究所)』『抗加齢医学入門(慶應義塾大学出版会)』『アンチエイジン グのすすめ(新潮社)』他多数

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