食中毒について

ノロウイルスやO157など、食中毒は身近なところでも発生しやすいものです。
食中毒の予防などについて、副院長兼内科系診療部長の稲垣先生教えてください。
  稲垣恭孝先生

Q.食中毒の原因にはどんなものがありますか?

A.細菌によるものとしては、鶏肉などの食肉や飲料水の汚染などによっておこる「カンピロバクター」、生卵や食肉加工品などによる「サルモネラ菌」、魚 介類による「腸炎ビブリオ」、牛肉などによるO157で有名になった腸管出血性大腸菌、手指の化膿創などによる「ぶどう球菌(菌の産出する毒素による)」 などが主なものです。
また、ウイルス性の食中毒として、生ガキなど二枚貝による「ノロウィルス」によるものが冬期に多発しています。なお、ノロウィルスは食中毒としてだけでな く、患者さんの糞便や嘔吐物を介して経口感染し、集団感染を引き起こすこともあります。また、アルコール消毒は無効で、次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する 必要があります。
食中毒は学校給食、旅館や飲食店などでの食事が原因の大規模な集団発生だけでなく、家庭の食事でも多数発生しており、家庭でも注意が必要です。
また、食中毒は一年中発生していますが、梅雨どきから夏場、初秋にかけては発生しやすい時期ですので特に注意しましょう。


Q.食中毒の具体的な予防法を教えてください。

A.1)菌をつけない。2)菌を増やさない。3)菌を殺す。
さらに具体的には家庭での食中毒予防として、次の6つのポイントを挙げておきましょう。

■ポイント1.食品を買うとき

  • 肉・魚・野菜などの生鮮食品は、新鮮なものをよく選んで買い、お互いが付着しないようにビニール袋などに分けて入れ持ち帰りましょう。
  • 食料品は買い物の最後に買い、寄り道せずに早めに持ち帰りましょう。

■ポイント2. 保存するとき

  • 持ち帰った生鮮食品は、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
    肉・魚・野菜などの食材は、それぞれきちんと分けて保存しましょう。
  • 冷蔵庫内は詰め過ぎないこと。7割程度にしましょう。
  • 必ず冷蔵(10℃以下)か、冷凍(-15℃以下)で保存しましょう。
    冷蔵・冷凍で細菌が死ぬわけではないので、過信せず、早めに食べてしまうことが大切です。
  • 保存食品は調理済でも食前に再加熱しましょう。

■ポイント3. 調理の下準備をするとき

  • 調理やトイレの後は、忘れずに逆性石鹸などを使い、水道の流水で手をよく洗いましょう。
  • 生の肉・魚・卵を手で扱った後は、もう一度手を洗いましょう。
  • 包丁・まな板・食器・ふきん類は清潔にしておき、洗った後は熱湯消毒をしましょう。
  • 包丁やまな板は、肉用・魚用・野菜用を別々に揃えて使い分けるとさらに安全です。
  • 肉・魚・野菜などの食材は、それぞれ別に洗いましょう。また、野菜などの生ものは必ず水道の流水で洗いましょう。水道水には蛇口部分で1リットル中に0.1 mg以上の塩素が含まれるため殺菌力があります。
  • ゴミは菌の温床です。まめに処分しましょう。

■ポイント4. 調理するとき

  • 下準備で台所が汚れていないかチェックしましょう。
  • 調理の前に手を洗いましょう。
  • 加熱して食べる食品は十分に加熱(腸管出血性大腸菌やサルモネラ、腸炎ビブリオなどの予防には中心部の温度が75℃以上で1分間以上、ノロウィルスの予防には85℃で1分間以上)しましょう。

■ポイント5. 食べるとき

  • 食事の前に手を洗いましょう。
  • 調理したらすぐに食べ、室温で長く放置しないようにしましょう。 O157は室温でも15~20分のうちに約2倍に増えます。

■ポイント6. 残った食品

  • 清潔な手で清潔な食器に保存しましょう。ただし、調理してから時間が経ち過ぎたら、思いきって捨てましょう。ちょっとでも怪しいと思ったら食べないで捨てる心構えが大切です。
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